「視線ズレ=プリズム」ではありません!
前回に引き続き、年齢とともに見え方のずれが起こることについて
もう少し詳しくご紹介したいと思います。
今回は、少しマニアックなお話になりますので、
出来るだけわかりやすくご説明させていただきますね。
前回ご紹介したお客様の声から
”最近ものが二重に言えることがあるんです”、
とか
”眼鏡を掛けてもなんとなく目が疲れるんです”
そんなご相談の中で、時々耳にするのが
「プリズムレンズを入れれば、二重に見えるのは治りますか?」
というご質問もいただきました。
プリズムレンズは、視線のずれによって起こる複視や
眼の負担をサポートする方法のひとつではあります。
ただ、当店としては
「視線がズレているから、とりあえずプリズムレンズをいれましょう」
とは考えておりません。
大切なのは、
そのズレを、今の目がどのくらい頑張って補正しているのかということなんです。
目には「ズレを自分で補正する力」があります
私たちの目は、左右の視線が少しズレても、筋肉を使って
無意識に調整しています。
ところがこの「補正する力」は、どの方向でも同じではありません。
例えば
外側にズレる場合
目を内側に寄せる「寄り目」の力は比較的強いため、ある程度なら
自分で補正できます。

一方
内側にズレる場合
目を外側に開く「開散」の力は弱いため、
無理をして補正し続けると、眼精疲労や頭痛、肩こりなどに
つながりやすくなります。

さらに
上下方向のズレの場合
眼は、上下に視線を合わせる力はとても小さいため、
二重に見える「複視」が
起こりやすくなります。時には頭を傾けて補正するときもあります。

では、プリズムは何のため?
ここが、今回一番お伝えしたいところなんです。
プリズムは、ズレそのものを「なくす」ものではありません。
目が頑張って視線を合わせ続けなくてもいいように、
負担を軽くしてあげるものなのです。
そのためのサポートと考えると、イメージしやすいかもしれません。
例えば、簡単な事例でご説明してみると、
「外ズレ」が 3.0 あっても、本来目が持っている補正する力が20.0 あれば、
その力のほんの一部を使うだけで簡単に補正できます。
このような場合は、目にまだ十分な余裕があるので、
必ずしもプリズムレンズが必要とは限らないのです。
一方で
「内ズレ」が3.0あり、それを補正する力が6.0しかない場合は、
目が持っている力の半分を使い続けなければならず、
長時間になると大きな負担になってしまいます。つまり持続困難であり、
強い眼疲労、頭痛、肩こりなどが発生しやすく、気を抜くと複視が発生するとい
う状態が起こりうるのです。
もしこのような場合でしたら、1.0 程度のプリズムを入れると、
本来持っている補正力の 1/3 以内の補正努力で視線ずれを
補えることができます。
このように視線補正力の 1/3 程度を使用することで、
眼疲労や複視解決をできるようにサポートするのがプリズムレンズの役割だと考えてください。
特に加齢性斜視では、補正力の弱い「内ずれ」「上下ずれ」が合併することが多いので、
視症状が発生しやすくなるのです。

「大人の健康視力研究会より参照」
「入れれば楽」ではなく、「どのくらい必要か」がポイント!
プリズムレンズは、たくさん入れれば入れるほど良いというものではありません。
大切なのは、
今の目がどのくらい頑張っているのか。
そして、
その負担をどの程度サポートすれば、
日常生活が楽になるのか、ということです。
加齢性斜視で「モノが二重に見える」理由
年齢を重ねると、目の周りの筋肉や視線を合わせる力にも変化が出てきます。
加齢性斜視では、特に補正する力が弱い「内ズレ」や「外ズレ」が
組み合わさることがあり、複視が起こりやすくなります。
「病気ではないと言われたけれど、ものが二重に見えて不便なんです」
「最近、どうも目が疲れやすくなった」
「車の運転や外出の時に見え方が気になります。」
そんな時には、単純に
「視力が落ちたから・・・」
「もう年だから・・・」
と考えるのではなく、左右の目がどのように協力して見ているのか
を考えることも大切です。

OGURAYAが大切にしていること!
メガネは単に「良く見えるようにする道具」だけではありません。
年齢とともに変化する目に合わせて、
「どうすれば、無理なく見ることができるのか」
を一緒に考えることも、眼鏡屋の大切な役割だと考えています。
プリズムが必要な方もいれば、必要ではない方もいます。
だからこそ、ズレがあるからといって、すぐにプリズムを入れるのではなく、
「今の自分の目は、どのくらい頑張っているのか」
そこから一緒に考えていきたいと思っています。
見え方の変化は、年齢とともに少しずつ現れるもの。
「ちょっと気になる」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
当店では、県内でも数台しかないと言われている
目の調節緊張具合を測定する機械を導入しております。

メガネを通して、これからの暮らしの「見やすさ」に
寄り添っていきます。


